2024/7/26(金)に北海道石狩南高等学校の1年生26名と2年生41名が北海道科学大学
を訪れ、大学施設の見学と模擬講義の受講を行いました。
模擬講義としては、電気電子工学科の佐々木教授が電気電子工学科4年生のサポートと共にF314実験室において「電子回路シミュレータの世界を体験!」を実施しました。
今回の授業では、高校の物理でも出てくる抵抗RとコンデンサCを組み合わせることで実現できるRC発振回路という信号波形を持続的に出力する仕組みについて、幾つかの面から解説しました。
まず、抵抗RとコンデンサCを組み合わせた充放電回路に対して、ホース(抵抗)を使ってバケツ(コンデンサ)に水(電気)を出し(放電)入れ(充電)するイメージを紹介しながら、RC発振回路の簡単な原理を説明しました。
次に、RC発振回路をコンピュータ&プログラムで実現する方法と、半導体デバイスを使った電子回路のみで実現する方法について紹介し、それぞれのメリット・デメリットについて簡単な解説を行いました。
コンピュータ&プログラムによる実現方法の簡単な例としては、小型コンピュータのArduino UNOに内蔵されているAD変換器とプログラムのif文を組み合わせることで実現できることを、実演を交えて紹介しました。
次に、半導体デバイスの一つであるオペアンプICを利用することで、ハードウェアのみでリアルタイムに動作するRC発振回路を実現できることを説明し、その回路をフリーで利用可能な電子回路シミュレータ「LTspice」を使って、実際に参加高校生に設計・配線してもらいました。そして、そのシミュレーションの結果を波形としてコンピュータ画面上で観察することで、正しく動作することを確認してもらいました。
そして、「LTspice」で設計・動作確認した回路が、実際にその通りに動作するかどうかを確認してもらうために、ブレッドボード上に同じ回路を組み立て、その動作波形をデジタル・オシロスコープを使って確認してもらいました。
最後に、RC充放電回路の抵抗Rを光センサの一つである光導電セル(CdS)に変更することで、光センサに照射される光の量によって、RC充放電回路の充放電スピードが変化し、スピーカーを通して出てくる音の高低が変化することを体感してもらいました。
このように今回の模擬講義では、RC発振回路をプログラムで実現する方法とハードウェアのみで実現する方法について高校生に紹介しました。そして、電気電子工学科ではハード(電気電子回路、センサ等)もソフト(プログラミング)も学ぶことができることから、将来、何らかの問題解決をする際に、最適なハードとソフトの組み合わせで実現できるスキルを身に付けられることを伝えました。
そして、この模擬講義を通して高校の物理で習っている抵抗やコンデンサが、身の回りで利用されている様々な電子回路を構成する重要な部品として役立っていることを知ってもらう機会にもなったのではないかと思います。
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